『妄言師@無銘の銘柄.jp』アーカイブ

2019年1月まで更新していた、はてなダイアリー『妄言師@無銘の銘柄.jp』を保管しています。

金曜ロードショー『ハウルの動く城』

宮崎駿監督の最新作。ジブリ作品はテレヴィ待ちといふのが妄言師のスタイルなので、今回の放送が初見になる。
宮崎作品で初めて ( ゚Д゚)ポカーン となつた。ヒロインを90歳にした意味が分からない、中途半端なところで元に戻るなら始終18歳のままでいいぢやないか。一緒に観てゐた母は「婆さんが主役なんて、華がない」と途中で寝てしまつたゾ。
岡田斗司夫さんは『BSマンガ夜話』の挨拶で「はじめの30分は映画史に残る傑作」と評してゐたが、妄言師はソフィーの第一声を聞いてから「早く90歳になれ」と画面に向かつて念を送つてゐたので、岡田さんの言はんとしたところを酌み取ることは出来なかつた。演出の都合上18歳と90歳とのソフィーを同じ人が演じなければならないが、倍賞千恵子さんの18歳は・・・・・・無理だ!
城を解体した意味が分からない。王子(カブ)の登場・求婚が唐突。
異形の男を女が助けるといふ構図は『紅の豚』『千と千尋の神隠し』でも用ゐられてゐる。
久石譲さんのワルツの音楽は良かつた。

  • 以下、『ハウル』とは関係ない話。宮崎駿さんを超える(あるいは肩を並べる)アニメ監督の条件は、たぶん自分の絵をアニメにすることの出来る人だと思ふ。高畑勲出崎統富野由悠季押井守庵野秀明佐藤順一・・・優れたアニメ監督は数あれど、キャラクターデザインまではやらない。宮崎監督は自分でキャラデザをして原画も沢山描く*1、それは皮肉にも宮崎さんの愛憎の的である手塚治虫と同様に。妄言師がみる限り、ポスト宮崎の最有力は細田守さんだと思ふが、次回作ではキャラデザも手掛けて、誰が見ても「このキャラクターは細田守の絵だ」と言はれるやうなアニメを作つて欲しい。

*1:大友克洋さんは『AKIRA』でどれだけ原画を描いたのだらうか?