『妄言師@無銘の銘柄.jp』アーカイブ

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子母沢寛『勝海舟』全六巻

昨年8月から少しづつ読み続けた大河小説を読了した。高校を卒業した頃に一度読み途中で挫折したので、今回の読了は嬉しい限りだ。
西郷吉之助(隆盛)を信じながらも、裏では江戸を焼き払ふ策を綿密に企てる。口癖のやうに唱へる赤誠が聴いて呆れる。
しかし、「海舟を『度々逢った事があるような気がする』人物にえがきあげた*1」子母沢の筆致は評価に値する。小説は明治2年の初夏で終はるが中途半端な感も否めず、その後の海舟も描いて欲しかつた。

*1:第6巻巻末の尾崎秀樹の解説より。