青森の奇跡の出会ひ
急行はまなすを降りたのが6時19分。酸ヶ湯温泉行きのバスが9時45分発。3時間以上ひまになるので、駅近くをぶらぶら歩くことにした。雪が降つてゐたので、アーケードになつてゐる歩道を選んだ。
駅前から伸びてゐる新町商店街は、20年以上前に青森駅前で野宿をしたときに、お腹を冷やしてトイレを探し求めて歩いた思ひ出深い商店街だ。当時、『青春18きっぷ』で貧乏旅行をしてゐて泊まる宿を確保できなかつたので、青森駅前で野宿をすることにした。9月上旬なのにとても寒くて、妄言師と同じく野宿をした人たちは電話ボックスに籠もつて寒さをしのいでゐた。現在は携帯電話が普及したためか、電話ボックスはすべて撤去されてゐた。いまはコンビニがたくさんあるので*1、野宿する人はコンビニを梯子して一夜を明かすのだらうか？
新町商店街のアーケードが終はると柳町通りに交差する。こちらにもアーケードがあるので、それをたどることにした。交差点にはデイリーヤマザキがあつた。工藤パン非公認キャラクターといふ女性のイラストが窓に貼つてあり*2“青森県人のソウルフード『イギリストースト』”なるものが紹介されてゐた。朝の7時ごろでお腹もすいてゐたので試しに食べてみたところ、山崎製パンの『スナックスライス』のやうな味で妄言師はすつかり虜になつた。歩く途中に別のコンビニでも買ひ求め、夜にもまた買つてしまつた*3。
青森にはリンゴしかないだらうと正直侮つてゐた。こんな美味しいものがあるとは思はなかつた。お盆に岩手に行く際は、これを求めるためだけに青森に行かうかと考へてゐる*4。
アーケードは青森市役所のそばで終はつてしまつたので、Uターンして青森駅に戻つた。
