新潮文庫から吉川英治
吉川といへば六興出版なきあとは講談社の専売特許といふイメージが強かつたので、書店でみつけたときは驚いた。
なんでも昨年が吉川の没後50年で、今年になつて著作権の保護期間が終了してしまつたらしい。
でも吉川の作品は電子化されてゐるので、今さら紙媒体を買ふつもりはない。
じつは妄言師は先週まで吉川の『新書太閤記』を電子書籍で読んでゐた。戦争中に執筆されたものなので、所どころに “日本臣民のあるべき姿” が説かれてゐるのに時代を感じてしまふが、信長が勤王であるといふ描写は*1妄言師には新鮮にも見えた。面白かつたのだが、中途で終はつてしまつたのは残念だ。於福・於通の行く末が気になつて仕方がない。
いまは大長編を読み終へたあとに来る虚脱感で、本を読む気力が湧かない。