小谷野敦『大河ドラマ入門』光文社新書
妄言師も大河ドラマが大好きなので*1、興味深く拝読した。第4章と第5章だけでも、金を払ふ価値はあつたかも*2。
田向正健さんの所謂 “助詞省き” の台詞回しを「妙に耳ざわり」と評してゐるが、妄言師はむしろ気に入つてゐる。もしも妄言師が大河ドラマの脚本を書くのなら、ぜひ取り入れたいくらゐだ。
脚本と構成はほとんどスタッフが行つてゐる、といふ指摘は何となく納得できる。台詞にする必要のないものまで台詞にしてしまふことがあるからだ。演出で描写しなければいけないものまで台詞にするのは、演出家の職場放棄に等しい。
誤植がいくらか見受けられるのが残念だ。とくに酷いのは第3章の “大河ドラマ主題曲 作曲者一覧”、途中から人物名と作品名とが一列ずれてゐる(w