2008-06-27 平野啓一郎著『決壊』上・下巻 文学・読書 平野さんが意識する三島由紀夫は同じ年頃に代表作『金閣寺』をものした。デビュー10年といふ節目でもあり、たぶん彼にとつては勝負作なのだらう。だから一応買つておいたけど、当分積ん読かな。前に書いたと思ふけど、彼や大江健三郎さんのやうにブッキッシュな作家の作品は、学者の論文を読むやうな重苦しさが付きまとふので、「よしッ、読むゾ!」と気合ひを入れないと到底読むことが出来ない。 出版社が用意したであらう貼り紙は、普通に “推理作家の新作” のやうにみえた。そろそろ “売れる本” を作らないとマヅいと思つたか?*1 映像化しやすい内容なら売れるかも。 *1:これも前にも書いたやうな気がするが、平野さんの悲劇は『日蝕』で世に出てしまつたこと。あれで “難しい小説を書く作家” といふイメージが固まり、名前を聞いただけで敬遠されてしまふ。