『妄言師@無銘の銘柄.jp』アーカイブ

2019年1月まで更新していた、はてなダイアリー『妄言師@無銘の銘柄.jp』を保管しています。

『椿三十郎』

相鉄ムービルにて12時30分の回を鑑賞。
宮崎駿監督が息子の作品を「素直な作りでよかつた」と評したさうだが、妄言師もこの作品を「素直な作り」と評しておく。腰元のファイティングポーズが不自然だつたが、それをのぞけば娯楽時代劇として普通に楽しめる。
ただ最盛期の黒澤作品には客を「あっ!」と言はせる演出*1が用意されてゐたが、この作品にはそれがなく、妄言師のやうに演出面を期待した人にはいささか物足りない。
原作と同じ脚本を用ゐたと言ふことだが、「またぞろ神社といふのも曲がない*2」といふ台詞が「芸がない」と変へられてゐるやうに、いくらか手が加へられてゐる。
キャスト面は申し分ない。織田裕二さんには、これからも時代劇に出演して欲しいとオモタ。

  • 追記。同じ脚本でも黒澤版は96分、森田版は119分。この差はなんなんだ?

*1:椿三十郎』で例へたら、三十郎と室戸との対決で血が噴き出す場面。

*2:菊井一派の軍勢を引きつける場所を決める場面。