『妄言師@無銘の銘柄.jp』アーカイブ

2019年1月まで更新していた、はてなダイアリー『妄言師@無銘の銘柄.jp』を保管しています。

梅田望夫著『ウェブ進化論』、梅田望夫・平野啓一郎共著『ウェブ人間論』

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
刊行から一年が経ち、アマゾンレビューが200件を超えたベストセラーの初版本を、今月初めに日吉の住吉書房で発見した。日吉の学生たちの活字離れにある意味で感謝。
ホームページやブログを手掛けるやうな人なら、一度は読むべき好著だとオモタ。ただ、著者のアメリカ暮らしが長いせゐか、カタカナが多いのが気になつた*1。“スーパー・ディストリビュータ*2” なんて一読してすぐ分かる人がどれだけゐるか*3。序章の最後に、年上の同僚アドバイザーから「話は面白いが、想像が出来ない」と言はれたとあるが、実はカタカナの多い話しぶりに辟易されてゐたのではないか。

ウェブ人間論 (新潮新書)
上の『〜進化論』で知つたが、梅田さんははてなの取締役ださうな。対談相手の平野さんは、はてなにブログを置いてゐる。先に『〜進化論』を読んだので、梅田さんの言ひ分は分かりやすかつた。しかし、平野さんの最近の小説を読んでゐないので*4、彼のネットへのスタンスを、作品を通して確認したら、あらためて読み直さうと思つた。
ユニークなのは梅田さんが取締役としてはてなに入つたときのエピソード。はてなの運営者たちの幼児性を垣間見たやうな気がした。優秀な頭脳を持つてゐても、一皮剥けば(ry
平野さんは自身を “団塊ジュニアに含まれる世代” と言つたが、一般的に75年生まれはそれに含まない*5。梅田さんが「七五年、七六年、七七年生まれ辺りが、ゴールデンエイジ*6」と言つたが、こちらの括り方が妥当だ。この世代は、中田英寿さんを中心としたサッカー日本代表のゴールデンエイジと重なる。
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『〜進化論』で、妄言師がいかにネットを使ひこなせてゐないかを思ひ知らされたので、とりあへずはこの2冊で勉強する。

*1:大抵は文脈判断で類推できるが、正直客を選ぶ本だ。

*2:95頁より。

*3:ATOKの英単語変換によると、販売者(代理店)、配給(卸売り)業者の意。

*4:以前にも書いたと思ふが、平野さんのやうなブッキッシュな作家の作品は、学者の難しい論文を読むやうな気合と覚悟とが強いられるので、本を買つてから読み始めるまでに時間がかかる(w

*5:普通は団塊ジュニアと云へば、71年から74年。

*6:191頁より。