平野啓一郎『本の読み方 スロー・リーディングの実践』
平野さんの著書を読むのは『葬送』以来*1。実践編で取り上げた本のほとんどが読了済みだつたので、妄言師的にはきはめて有益だつた。*2。
『蛇とピアス』を取り上げるあたりは、古典嗜好と思ひきや現代作家にも関心を寄せてゐる平野さんの文学観が垣間見えて面白い。金原ひとみさんは父親に作品の添削を受けた、といふ話をどこかで聴いた覚えはあるが、その際に “構造” といふもの教はつたのだらうか*3。芥川賞の件は、平野さんが同様のバッシングを受けたのだらうと推察される。
『高瀬舟』の件は、そのまま文庫本の解説に用ゐても良い。
- 追記。『はてな』内を泳いで知つたのだが、平野さんが『はてな』でブログを書いてゐる!
- さらに追記。スロー・リーディングの逆を行くやうな松岡正剛さんを、平野さんはどのやうに捉へてゐるのだらうか。