2005-06-19 白岩玄『野ブタ。をプロデュース』、ついでに桜桃忌のこと 文学・読書 近ごろ、積ん読になつてゐた現代文学作品を立て続けに読んでゐるが、太宰治を意識した作品*1を桜桃忌に読了するのも何かの因縁であらうか。芥川賞選考委員の宮本輝さんは、この作品が受賞できなかつた理由を「綿矢りさとは “分厚い紙一重の差” がある」と言つたさうだが、その言葉の意味はまだわからない。 太宰の地元では毎年、桜桃忌の記念行事が行はれてゐるが、近年では遺族の要望で “生誕祭*2” と名を改めてゐる。遺族的には “愛人と心中した” といふ事実が耐へがたいのかな? *1:主人公の修二は、太宰の本名の “修治” に因んでいるのだらう。 *2:誕生日と遺体発見日とが同じ日のため。