三谷幸喜の “居場所”

『王様のレストラン』第９回、視聴。弟の活躍で居場所を失つた範朝が店の売上と権利書に手を出し・・・。
三谷作品では時どき “居場所を失つた男の悲哀” が描かれる。『王様〜』では範朝の前に梶原が居場所を失いつつあつた。『古畑任三郎』の今泉は西園寺の活躍で居場所を奪はれた。『新選組！』の山南敬助・谷三十郎・武田観柳斎の脱走は、隊内における居場所を失つたことが動機として描かれ、永倉新八は「ここに俺たちの居場所はない」と言つて原田左之助とともに近藤勇と訣別する。近藤も幕府から邪魔者扱ひされて、新政府軍に捕らはれる。『合い言葉は勇気』の暁仁太郎は、時代遅れの演技で共演者・スタッフから煙たがられて居場所を失つたことが富増村にくる契機だつた。
居場所の喪失・・・三谷作品を研究する人は、この言葉を意識して作品をみてはいかがでせう。