自己責任〜時事放談になつてしまつた

イラク人質事件の今井紀明氏らが会見をした、といふ新聞記事を見た。読売新聞は解説委員が自己責任について一筆揮ひ、産経新聞では元自衛官の志方俊之氏による今井氏らに対しての厳しいコメントを掲載した。しかし、人質事件が起きる原因を招いた小泉首相の自己責任に対して両紙はどう捉へてゐるのだらうか。
なぜアメリカのイラク攻撃を支持したのか、そして自衛隊はイラクで何をするのか、「ノーコイズミ」と叫ぶイラク人たちに対して首相はなにも説明してゐない。
首相はイラクへ行かないのか。危険だから？　バカを言つてはいけない、政治家は常に死と隣り合はせだ。だから“先生”と呼ばれて尊敬される。それくらゐの覚悟もないのなら、イラク攻撃を支持すべきではないし、いつそのこと政治家なんて辞めてしまへばいい。
人質事件の際、自己責任を口にした中川昭一経済産業相が２１年間も年金を払つてゐなかったといふ。この首相にしてこの閣僚ありだ。ここ数日で“自己責任”が胡散臭い言葉になつてしまつた。両紙を見るにつけ「も前ら必死だな」と２chの言辞が思はず飛び出してしまふ。